ウイルスは脳細胞を融合させ、CNSの機能不全を引き起こします

投稿日: 2023 年 6 月 9 日 | イジー・ウッド (薬物標的レビュー) | コメントはまだありません

オーストラリアの研究者らは、ウイルスがどのようにして脳細胞を変化させ、ひいては神経系の機能を変化させ、神経症状を引き起こすかを調査している。

オーストラリアのクイーンズランド大学の研究者らは、SARS-CoV-2などのウイルスが脳細胞の融合を引き起こし、慢性的な神経症状につながる機能不全を引き起こす可能性があることを発見した。

クイーンズランド脳研究所のマッシモ・ヒリアード教授とラモン・マルティネス・マルモル博士は、ウイルスが神経系の機能をどのように変化させるかを調査し、『Sciences Advances』に掲載した。

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の原因となるウイルスであるSARS-CoV-2は、最初の感染から数カ月間「長い期間​​にわたって新型コロナウイルス感染症（COVID-19）」に罹患していた人々の脳から検出された。 「私たちは、新型コロナウイルス感染症がニューロンにこれまでに見られなかった細胞融合プロセスを引き起こすことを発見しました」とヒリアード氏は語った。

「SARS-CoV-2によるニューロン感染後、スパイクSタンパク質がニューロン内に存在するようになり、ニューロンは一度融合すると死ななくなる。」

SARS-CoV-2 ウイルス由来の Spike S 融合因子とヒト受容体 hACE2 を発現する融合ニューロン (黄色) の画像 (クレジット: Massimo Hilliard 教授と Ramon Martinez-Marmol 博士)

「それらは同期して点火し始めるか、完全に機能を停止するかのどちらかです。融合が起こると、各スイッチはキッチンとバスルームの照明を同時に点灯するか、両方とも点灯しません。」と彼は続けた。

この発見は、ウイルス感染後の持続的な神経学的影響についての潜在的な説明を提供するものである。

「ウイルスが脳に侵入すると何が起こるかについての現在の理解では、細胞死か炎症という 2 つの結果が生じます」とマルティネス・マルモル氏は説明しました。

「しかし、私たちは3番目の可能性のある結果、つまり神経細胞融合を示しました。」

Martinez-Marmol 氏は、多数のウイルスが他の組織で細胞融合を引き起こすだけでなく、神経系にも感染し、そこで同じ問題を引き起こす可能性があると述べています。 「これらのウイルスには、HIV、狂犬病、日本脳炎、麻疹、単純ヘルペスウイルス、ジカウイルスが含まれます」と同氏は述べた。

「私たちの研究は、ウイルス感染時に起こる神経学的事象の新たなメカニズムを明らかにしました。これは潜在的に神経学的疾患や臨床症状の主な原因ですが、まだ解明されていません。」

関連トピックニューロン、神経科学、タンパク質、タンパク質発現

関連条件Covid-19

関連機関クイーンズランド大学クイーンズランド脳研究所

関連者ラモン・マルティネス＝マルモル博士、マッシモ・ヒリアード教授